障害者団体向け割引郵便制度をめぐり偽の証明書を発行したとして、虚偽有印公文書作成・同行使罪に問われた厚生労働省元局長、村木厚子被告(54)の第14回公判が18日、大阪地裁(横田信之裁判長)で開かれた。今回から取調官に対する尋問が始まり、検察側は公判証言より供述調書の信用性が高いことを立証したい考え。
午前は実体のない障害者団体「凛の会」元会長、倉沢邦夫被告(74)=公判中=を取り調べた大阪地検堺支部の坂口英雄副検事(51)が出廷。「責任逃れをするようなとき机をたたいたことが数回あった」としながらも、供述調書の作文や脅迫など違法な取り調べは「全くなかった」と強調した。
倉沢被告は捜査段階で、村木被告と会って証明書の発行を依頼したことや偽の証明書を直接受け取ったことなど、村木被告の主張に反する供述をしている。公判でもほぼ調書通りに証言したが、一方で「何度も調書の訂正を申し入れた」とも述べていた。
坂口副検事は倉沢被告と村木被告の会話内容を調書にする際、「記憶をできる限り喚起してもらった」と証言。証人によって証言内容が異なる証明書の受け渡しについては「倉沢被告は一貫して『私自身が村木被告から直接受け取った』と供述した」とし、時期についても本人の手帳を元に確認したことを明かした。
一方、調書作成にあたり書きとめたメモを捜査終結後に廃棄していたことを明らかにし、理由を「倉沢被告のプライバシー保護の観点で保管を継続すべきでないと判断した」と述べた。
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